水溶性

ニチゴーGポリマー™は、水溶解性に優れています。
また、結晶性を制御することにより、水溶解性をコントロールすることができます。

ニチゴーGポリマー™の水溶解手順

水溶解性(PVOHとの比較)

水溶解性(PVOHとの比較)

ニチゴーGポリマー™

【試験条件】
攪拌下の水にニチゴーGポリマー™又は完全ケン化PVOHを分散後昇温して溶解

温度 20℃→85℃(1℃/分)
濃度 10%

水溶解性(グレード比較)

溶解時間はニチゴーGポリマー™の分散状態や撹拌条件により変わりますのでご注意下さい。

ニチゴーGポリマーの水溶解性

品種   
ニチゴーGポリマー™AZF8035Q   
    
    


【試験条件】
攪拌下の水にニチゴーGポリマー™を分散後、溶解温度まで昇温して一定時間攪拌した後冷却して溶解状態を確認

試験濃度 5%

その他溶媒への溶解性

ニチゴーGポリマー™は、ほとんどの有機溶剤には溶解しません。
溶解または僅かに溶解性を示す有機溶剤としては、エチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、アセトアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどがあります。
また、水と低級アルコールとの混合液にも溶解します。

有機溶媒

有機溶媒

サンプル:ニチゴーGポリマー™ BVE8049Qフィルム

試験温度:23℃

水+アルコール溶液

水+アルコール溶液

ニチゴーGポリマー™:完全ケン化タイプ

【試験条件】
攪拌下の樹脂水溶液にエタノールを徐々に添加し、析出(白濁)が生じるまでの添加量を評価

水溶液特性

低発泡性

ニチゴーGポリマー™は、その分子構造により、水溶液は消泡性に優れています。
消泡剤を添加することなく、作業性に優れた水溶液が得られます。

PVOHとの発泡比較

PVOHとの発泡比較

右:ニチゴーGポリマー™(完全ケン化タイプ)
左:PVOH(完全ケン化タイプ)

【試験方法】
1%の水溶液(200ml)を1Lメスシリンダーに入れ、300cc/minの空気をスパージャーを通して吹き込み、経時的な泡の高さを観察

水溶液粘度安定性

低温・保存安定性

ニチゴーGポリマー™の水溶液は、低温保存下でも良好な粘度安定性を示します。
また、結晶性を制御することにより、水溶液の増粘性をコントロールすることができます

水溶液の保存安定性

水溶液の低温粘度安定性

ニチゴーGポリマー™:完全ケン化タイプ

10%水溶液, 5℃保存 粘度測定:B型, 10rpm

高せん断域粘度安定性

ニチゴーGポリマー™の水溶液は、高せん断下でも流動異常を起こしにくい特長を有しています。
高速塗工などへの対応が期待できます。

高せん断域粘度安定性

部分ケン化PVOH;ケン化度88mol%

【測定】
キキャピラリーレオメーター, 7.5%水溶液

アルカリ水溶液中での安定性

ニチゴーGポリマー™は、高濃度のアルカリ水溶液でも粘度変化を起こしにくく安定です。

ニチゴーGポリマー™のアルカリ水溶液中での安定性

【試験方法】
12%の樹脂水溶液と20%のNaOH水溶液を1:1で混合
23℃で3日間放置後の溶液状態

10%濃度のNaOH水溶液に各樹脂を溶解したときの溶解状態

品種溶解直後1日後1週間後
ニチゴーGポリマー™AZF8035Q溶解溶解溶解
部分ケン化PVOH不溶解物ありゲル化ゲル化
完全ケン化PVOH不溶解物ありゲル化ゲル化


【条件】
樹脂濃度:6%
溶解条件:90℃, 1時間
保存温度:40℃

5℃, 23℃に放置した場合の各pHにおける粘度を測定しました。
5℃では、完全ケン化PVOHは1日でゲル化するのに対し、ニチゴーGポリマー™は、各pHの領域で粘度安定性に優れています。

水溶液の経時粘度安定性

品種pH水溶液の粘度(mPa・s)
5℃23℃
初期1ヶ月後初期1ヶ月後
ニチゴーGポリマー™3.0170170110110
8.0170180110110
13.0160180110110
完全ケン化PVOH3.0200ゲル化120130
8.0190ゲル化120130
13.0230ゲル化120140


【試験方法】
7%水溶液のpHを10%酢酸水溶液で3.0、10%NaOH水溶液で8.0、13.0に調整し、5℃及び25℃で1ヶ月保管後の粘度を測定

アルコール添加許容性

ニチゴーGポリマー™は、低級アルコールを多く含む水溶液にも溶解します。

水/アルコール溶液溶解性   溶液温度:80℃
品種樹脂濃度
(wt%)
溶媒のエタノール/水の比率(wt%)
0/10030/7040/6050/5060/40
ニチゴーGポリマー™
BVE8049Q
5     
10     
15     
20     
完全ケン化PVOH5     
 :溶解 :折出

 

水/アルコール溶液溶解性    溶液温度:80℃
品種樹脂濃度
(wt%)
アルコール溶媒のエタノール/水の比率(wt%)
0/10030/7040/6050/5060/40
ニチゴーGポリマー™
BVE8049Q
10メタノール     
エタノール     
iso-プロピルアルコール   相分離 
 :溶解 :折出

 

表面張力

ニチゴーGポリマー™の水溶液は、PVOHに比べ高い表面張力を示します。

耐水性

耐水性

架橋剤のご紹介

ニチゴーGポリマー™は、水溶性に優れた樹脂ですが、架橋剤を併用することで耐水性を付与することができます。
またニチゴーGポリマー™は、 PVOHに比べ高い架橋性能を示します。