ポリビニルアルコール(PVOH・PVA)とは?その特徴や実際の仕様など解説

ポリビニルアルコールは、PVOH,PVA,ポバールとも呼ばれる合成樹脂です。この記事では、ポリビニルアルコール(PVOH,PVA)の概要や歴史、特徴などを解説します。また、具体的な使用例やおすすめ製品についても取り上げているため、ぜひ参考にしてください。

ポリビニルアルコール(PVOH,PVA)とは

ここではポリビニルアルコールがどのようなものなのか、どのような経緯で作られたのかといった点を解説します。まずは基本的なポイントを押さえておきましょう。

ポリビニルアルコール(PVOH,PVA)の概要

ポリビニルアルコールは、PVOH,PVA,ポバールとも呼ばれる合成樹脂です。

ポリビニルアルコール(PVOH,PVA)は、酢酸ビニルを重合することで得られるポリ酢酸ビニルをさらにケン化することにより得られるものです。

分子量(重合度)とは、ポリマーの長さを表します。またPVOH・PVAは、水酸基と酢酸基を持っており、その合計に対する水酸基の割合のことをケン化度と言います。分子量(重合度)やケン化度の異なる様々な製品があります。

ポリビニルアルコール(PVOH,PVA)の歴史

ポリビニルアルコール(PVOH,PVA)は、1924年にドイツのヘルマン(W.0.Herrmann)とハーネル(H.Harnel)がポリビニルアルコール(PVOH,PVA)を発見したことが始まりです。

日本では日本合成化学工業が1950年からポリビニルアルコール(PVOH,PVA)を生産し、幅広い用途で活用されたことから普及しています。現在日本合成化学工業は三菱ケミカルに吸収合併され、日本合成化学工業のポリビニルアルコール(PVOH,PVA)を三菱ケミカルが製造販売しています。

ポリビニルアルコール(PVOH,PVA)の4つの特徴

ポリビニルアルコール(PVOH,PVA)にはいくつかの特徴があります。ここでは具体的な4つの特徴を紹介します。

①:水溶性

PVOH・PVAは水に溶ける樹脂です。加熱によってより溶けやすくなります。ただし、ほとんどの有機溶剤には溶解しません。

②:接着性

ポリビニルアルコール(PVOH,PVA)は、木材、紙、布などの親水性の素材に対して優れた接着性を示します。接着力が強く、安全で使いやすいのが特徴です。

③:界面活性能

部分ケン化型のポリビニルアルコール(PVOH,PVA)は優れた界面活性能を有しており、保護コロイド剤として利用できます。

④:被膜形成性

ポリビニルアルコール(PVOH,PVA)は、強靭でしなやかな被膜を形成します。ポリビニルアルコール(PVOH・PVA)は、被膜形成性が優れています。

ポリビニルアルコール(PVOH,PVA)の使用例

ここまでに紹介したような特徴から、ポリビニルアルコール(PVOH,PVA)は多岐にわたって利用されています。

実際にどのように利用されているのか、使用例をご紹介します。

接着剤・バインダー

合板用の接着剤や再湿糊、切手の裏のりなどに使用されています。

また、セラミック製造などの無機物のバインダーとしても活用されています。バインダーには自重程度では変形しない「保形性」と、大きな外力だと変形する 「流動性」の2つの特性を持つことが求められます。

紙加工剤

洋紙、板紙や特殊紙などの表面コート剤などに使用されています。

ポリビニルアルコール(PVOH,PVA)を塗工することで印刷適性や耐油性、強度の向上が期待できます。

乳化剤

木工用ボンドの主成分であるポリ酢酸ビニルエマルションの乳化剤として活用されています。エマルションとは「水の中に油が分散、または油の中に水が分散している状態」のことです。

懸濁剤

ポリ塩化ビニル樹脂製造時の重合用懸濁剤として使用されています。塩化ビニルモノマーを攪拌と分散剤によって水に懸濁し、数時間重合することで粒子径50~200μのポリ塩化ビニル(PVC)を製造しています。

フィルム

水に溶ける特徴を活かし、液体洗剤用の包装フィルムなどに使用されています。

最後に、三菱ケミカルが製造販売するポリビニルアルコール(PVOH,PVA)をご紹介します。

三菱ケミカルが提供するポリビニルアルコール(PVOH,PVA)のご紹介

三菱ケミカルではポリビニルアルコール(PVOH,PVA)を一般銘柄である「ゴーセノール™️」の商標名で販売しています。また、特殊変性ポリビニルアルコールとして「ゴーセネックス™️」、「ニチゴーGポリマー™️」を展開しています。

「ゴーセネックス™️」、「ニチゴーGポリマー™️」は、変性基を導入していることで、一般のポリビニルアルコール(PVOH,PVA)にはない機能を発揮することができます。「ゴーセネックス™️」はグレードにより架橋性や分散性など異なる優位性を持っています。「ニチゴーGポリマー™️」は、優れたガスバリア性と水溶性を有する溶融成形可能な生分解性のビニルアルコール系樹脂となっています。さらに、各国の生分解性認証を取得しており、海水条件での生分解も確認されております。各国の食品衛生法にも対応しています。

三菱ケミカルのポリビニルアルコール(PVOH,PVA)については以下をご覧ください。

製品カタログ

ニチゴーGポリマーのご紹介
ニチゴーGポリマー™のご紹介
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